慢性精神病者の退院促進に異議あり

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著者 stsuruta
発表日 2010-07-23
種別 その他 (Others)
著作
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要約(サマリー)

入院は悪で地域は善、多少無理してでも患者を退院させて地域で生活させることが出来れば患者の症状も改善する、という楽観的な考えは、1963年にアメリカのJFケネディーが成立させた「地域医療センター法」を中心とした脱施設化政策そのものと考える。日本の厚生省ではいまだに信奉されているようであるが、しかし、このケネディーの政策は、アメリカでは失敗とされている。退院した患者は地域で孤立し・貧困化し・ホームレスとなって悲惨な生活を強いられ、また、犯罪者として刑務所に入った例も多かった。退院した患者は別の施設に移っただけだった、と批判する研究者も多い。無理して退院させても患者へのメリットはなく、地域を混乱させるだけであったのである。ケネディーの時代は、「精神病者は怖くて何するか分らない人である」、は偏見で、実は病者は素直で優しい人なのである、というのが常識であったが、最近の研究では、精神病者は明らかに一般人口に比し暴力的である、という結論が圧倒的である。 また、当時は精神病患者の陰性症状は長期入院の結果であるとされ、退院させれば消失する(はず)と期待されたのであるが、実際は退院後も陰性症状は改善することは無かったのである ケネディーに代表されるアメリカの夢と希望は、そのロマンを膨らませたが、残念ながらアメリカの脱施設化政策は、結果的には誤りであったのである。病院内で平穏に暮らしている高齢の慢性患者に世間の荒波を再体験させる理由はない。彼らはそこから逃げてきたのである。

参考文献目録

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